ウランバーナの森
奥田 英朗
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大阪出張の行き帰りで読んだ。図書館をぶらついて、何気なく手に取った一冊。奥田英朗なので、もしかしたら、ブラックコメディかと勝手な期待。
けれど、全く違った。最初にジョンという男が登場する。上さんは日本人で、ケイコ。数ページ読むと、これがジョン・レノンとオノヨウコ夫妻のパロディだと分かった。おまけにジョン・レノンはひどい便秘になる。おいおい、そりゃないだろうと思いつつ、新幹線の中なので他に本もなく、読み進めた。後半近くなって、ようやくこの本の真意が分かってきた。時はおりしもお盆。夜中にうなされるほどレノンの精神的負担となっている過去の人物(すでにみんな死んでいる)が、お盆で里帰りして、レノンに会いに来て、レノンの精神的負担を取り除く。
奥田英朗は、レノンの熱烈なファンだったのか。しかし、レノンに興味を持たないものにとって、この本は、「だから何だっての」
タイトルの「ウランバーナ」は、サンスクリッド語で「苦痛」を意味し、日本語に置き換えると「盂蘭盆会(うらぼんえ)」となり、お盆の正式名称となるそうだ。お盆が苦痛という意味とは知らなんだ。昔、お釈迦様が、子供を亡くして嘆き悲しんでいる弟子をみかね、霊界から子供を引き寄せて会わせ、その苦痛を和らげたという。
ところで、この本に描かれているケイコは、どのていど本物のオノヨウコに近いのだろうか。そっちの方が興味津々だ。だって、この本では、金持ち娘の気ままな道楽で人生を生きているイヤな女としか思えないが。